恋した君は写真の中に 前半

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恋した君は写真の中に 前半

本屋では様々なモノに出会う。 わくわくする冒険譚、切ないラブストーリー、スリリングなサスペンス、一冊として同じ物語はない。 参考書を買う同級生、バイトの大学生、店長のおじさん、人間も多種多様な人が存在する。十六歳の僕でも、普段の生活では出会えない素敵なモノに出会えるのだ。 そんな本屋で、僕は彼女に出会った。 名も知らぬ、写真に写る彼女に。 僕は古書店に行き、何か面白そうな本はないかと店内をウロウロとしていた。物珍しい本、興味をそそるタイトルなどをその日は見つけられず、もう帰ろうかと思ったその時、何かが、心の琴線に触れた。 だいぶ古い本だった。僕が産まれる前に映画化もされたエンタメ小説だった。 読んだことはないがなんとなく内容は知っているという程度の本だが、手に取り、開いてみる。何かが挟まっており、そのページが自然に開いた。 ある女性が写った写真であった。 僕はその女性に一目で心奪われた。 僕はその本を買って帰ることにした。
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