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「なんだよ」
曳野は、統の鼻先に人差し指を向けた。
「いい加減にしろ! 次に何かしゃべったら、ここから叩き出す!」
「ぐ……」
「僕は浅野亜里さんを助けようと思っている。その気持ちは絶対に君と同じだ」
「……」
亜里が統を怒った。
「統、いい加減にして! 私はここへ相談に来たの! さっきから邪魔しかしてないじゃない! 邪魔しかしないなら、帰ってくれない?」
「分かったよ……」
「それから、曳野さんを睨まないこと。さっきから失礼な態度ばかりで、私が恥ずかしい」
「ごめん……」
亜里がとうとう本気で怒り出したと分かった統は、ようやく大人しくなった。
「続けようか」
「私は、二子玉川駅から乗っています」
「乗り換えなしだね」
「はい」
「自宅近くでは、現れる?」
「今のところ、高校近くでしか見ないですね」
「わかった。まずは、高校前で見張ろう」
亜里の一日のスケジュールを聞いて、曳野は行動計画を立てた。
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