一両目 忘れ物

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 ウサミミは、情報の拡散がとても心配になった。放っとけば、寄ってくる変な男が増えるばかりだ。 「誰かの嫌がらせにしては、悪質ですよね。このままでは、情報が広がって危険ですけど、どうしますか?」 「情報を売っている大元を捕まえないとならないな」 「亜里さんの生徒手帳の中身を、誰が、いつ撮ったんでしょうか?」 「可能性が高いのは、身近な人だけど……」  曳野は、ミチルの話を思い出した。 「一つ、思い出したことがある。この子が生徒手帳を失くしたと、ミチル君が話していたよね」 「そうでしたね。軽い雑談だったから、すっかり忘れていました」 「その時に、拾った何者かが写真を撮って悪用したとも考えられるな」 「そうか! でも、そうなると、特定が難しそうですが」 「失くした時の状況を、亜里さんからもっと詳しく聞いてみよう」  亜里とは、放課後に待ち合わせている。  校門の近くで、亜里が出てくるのを待った。  やがて、亜里がミチルと、相変わらず険しい表情の統とともにやってきた。  近くのファミレスで、話をすることにした。
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