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ウサミミは、情報の拡散がとても心配になった。放っとけば、寄ってくる変な男が増えるばかりだ。
「誰かの嫌がらせにしては、悪質ですよね。このままでは、情報が広がって危険ですけど、どうしますか?」
「情報を売っている大元を捕まえないとならないな」
「亜里さんの生徒手帳の中身を、誰が、いつ撮ったんでしょうか?」
「可能性が高いのは、身近な人だけど……」
曳野は、ミチルの話を思い出した。
「一つ、思い出したことがある。この子が生徒手帳を失くしたと、ミチル君が話していたよね」
「そうでしたね。軽い雑談だったから、すっかり忘れていました」
「その時に、拾った何者かが写真を撮って悪用したとも考えられるな」
「そうか! でも、そうなると、特定が難しそうですが」
「失くした時の状況を、亜里さんからもっと詳しく聞いてみよう」
亜里とは、放課後に待ち合わせている。
校門の近くで、亜里が出てくるのを待った。
やがて、亜里がミチルと、相変わらず険しい表情の統とともにやってきた。
近くのファミレスで、話をすることにした。
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