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各自の前に頼んだ品が並ぶ。
「所長のホットコーヒーです」
ウサミミは、ウェイトレスが置いたコーヒーを曳野の前に回した。
亜里と統は、アイスミルクティー。
ウサミミとミチルは、アイスコーヒー。
甘くないと飲めないミチルが、テーブルの遠くにあるガムシロップ入りのミルクピッチャーに手を伸ばしたが、少し届かない。
「はい」
近くに座っていた亜里が代わりにそれを取って、テーブル越しにミチルへ手を伸ばして渡した。
その際、亜里の左手首が服の袖から出て、肌色のリストバンドが曳野の目に入った。
「ありがとう」
ミチルはドバドバとガムシロップを入れた。
ストローでよくかき混ぜると、美味しそうに飲んでいる。
相当、甘そうだとウサミミは思った。
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