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その瞬間、俺の顔を何かが優しく撫でる
………だれかの手?
もしかして…目を覚まさないって…俺の事?
そう思ったのと同時に頭を勢いよく叩かれて俺は飛び起きた
「……っつ!!…ってーなっ!!なにす………」
「いつまで寝てんだよ、目を覚ませって言われてんだろーが」
ジロッと俺を見下ろし冷たく睨むその顔に、俺は文句も忘れて石の様に固まる
「え………水…無瀬………何で……?」
ウチの制服を着た水無瀬らしき人物
「何でって言われてもな……目が覚めたらここにいた」
ムスッとした顔でそう言う水無瀬は、どうやらご本人の様だ
ん…?ここにいた…?
慌ててぐるっと視線を巡らせた俺は、頭が真っ白になる
まるでファンタジーの世界かと突っ込みたくなる様な、何で浮いて光ってるか分からない置物が豪華な部屋でふよふよしている
てかなんだ!?この天盖付の乙女ちっくなベッドは?
そして場違いなウチの制服を着て、俺を睨む水無瀬…あまりにおかしな状況に頭が全く追い付かなくて俺は目を何回も擦る
「……おい、リアナこいつ起きたぞ」
混乱してる俺を無視して、水無瀬は冷静に隣で目をうるうるさせている女に面倒くさそうに話しかける
リアナと呼ばれた女は俺の両手をしっかり握ると大粒の涙をその目に溜める
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