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「やはり番の声は届くのですね…救世主様っ!私はもう感動して涙がとまりませんっ!!」
綺麗な顔を真っ赤にして泣きわめくリアナに、俺もどうしていいのかわからない
大体…何で水無瀬がいるんだ?
このやたらお姫さまみたいな子が…リアナ?
救世主?
…………だめだ、分からない事だらけだ…
俺たしか……自分の部屋にいたよな?
あ、そうか夢か…!
どうしよもなく眠くなって…寝落ちしたんだよ確か!
いや…でも…それにしても…リアルすぎねーか?
ブツブツ言いながら悩む俺に、水無瀬は呆れた様にため息をつく
「どう考えたって夢だろ、俺もいつの間にか寝てて気付いたらここにいたし」
「は?何で俺とお前が同じ夢見てんだよ?おかしいと思わねーの?」
俺と水無瀬には全く共通点なんてない、それでたまたま同じ夢なんて見るか普通?
俺の言葉に、水無瀬はさもどうでもよさそうに「別に?」と呟く
「たまたまだろ」
「こんな偶然があるか!」
水無瀬の謎の余裕の持ち方に、思わずキレて突っ込む俺にリアナがまぁまぁと割って入ってくる
「聞いていた通りで良かったです、やはり救世主は番と一緒に現れるものなのですね」
うっとりするリアナに俺はさっきからちょいちょいリアナの台詞に登場してる「つがい」という言葉について、尋ねてみる事にした
「えーと…リアナだっけ……?…そのつがいって何?」
今日キーホルダーをくれた店員は、夫婦とかの意味だと言ってた気がするけど……
まさか俺と水無瀬にこの後、可愛い女の子でも紹介されるのだろうか?
少し期待しつつリアナに聞いてみた俺は、この後に来る予想外の発言に凍りつく羽目になる
「…あなた方、夫婦の事ですよ?救世主は番で現れるものと私は聞いておりました……でもなかなか救世主様が目を覚まさないので番であるこの方…」
「…………ちょっと待て」
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