642人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は突っ込み所が多すぎるリアナの言葉を、途中でストップさせる
きょとんとして小首を傾げるリアナに、俺は一つずつ質問して自分の考えを整理することにした
「まずさ……救世主って誰?」
リアナはまた俺の手を握り、目をキラキラさせて言う
「貴方様です!救世主様!」
やっぱりそうか……まぁ、いいや
俺が救世主ってのは別に大した問題じゃねーよ、この際な
「……………で、その救世主の番って言うのは……」
どうか聞き間違いか、混乱した俺の勘違いでありますように!!
しかし…願いも虚しくリアナは水無瀬の腕をグイッと引っ張り、無理矢理俺の隣に並ばせると
「何をとぼけてるんですか?貴方の番はこの方ではありませんか!……とーってもお似合いですよ?」
そう、とびきりの笑顔で淡い俺の期待を、残酷な言葉で裏切ってくれた
「………ま、そーゆう事だ、よろしくな」
「待て待て待てっ!!おいコラ水無瀬!!何であっさり受け入れてんだよっ!!」
「いちいち突っ込むの面倒だろ…どーせ夢の中だ」
「面倒とか夢とかの問題じゃねーよ!!大体……俺の事知らねーだろお前っ!!……いや?知らないからどうでもいいのか?」
俺が自分の発言に首を捻っていると、それまで面倒くさそうな顔をしていた水無瀬が、何故か急に真剣な顔をして俺を見ていて、不覚にも若干俺はビビる
イケメンの真顔とか、何でこんな怖いんだよ…
思わず後ずさる俺に気付いたのか、水無瀬は俺から顔を背けポツリと呟く
「2年3組……片桐秀人……」
最初のコメントを投稿しよう!