1・まさかの救世主

10/15
前へ
/319ページ
次へ
俺は突っ込み所が多すぎるリアナの言葉を、途中でストップさせる きょとんとして小首を傾げるリアナに、俺は一つずつ質問して自分の考えを整理することにした 「まずさ……救世主って誰?」 リアナはまた俺の手を握り、目をキラキラさせて言う 「貴方様です!救世主様!」 やっぱりそうか……まぁ、いいや 俺が救世主ってのは別に大した問題じゃねーよ、この際な 「……………で、その救世主の番って言うのは……」 どうか聞き間違いか、混乱した俺の勘違いでありますように!! しかし…願いも虚しくリアナは水無瀬の腕をグイッと引っ張り、無理矢理俺の隣に並ばせると 「何をとぼけてるんですか?貴方の番はこの方ではありませんか!……とーってもお似合いですよ?」 そう、とびきりの笑顔で淡い俺の期待を、残酷な言葉で裏切ってくれた 「………ま、そーゆう事だ、よろしくな」 「待て待て待てっ!!おいコラ水無瀬!!何であっさり受け入れてんだよっ!!」 「いちいち突っ込むの面倒だろ…どーせ夢の中だ」 「面倒とか夢とかの問題じゃねーよ!!大体……俺の事知らねーだろお前っ!!……いや?知らないからどうでもいいのか?」 俺が自分の発言に首を捻っていると、それまで面倒くさそうな顔をしていた水無瀬が、何故か急に真剣な顔をして俺を見ていて、不覚にも若干俺はビビる イケメンの真顔とか、何でこんな怖いんだよ… 思わず後ずさる俺に気付いたのか、水無瀬は俺から顔を背けポツリと呟く 「2年3組……片桐秀人……」
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

642人が本棚に入れています
本棚に追加