1・まさかの救世主

11/15
前へ
/319ページ
次へ
いきなりクラスとフルネームを当てられ、俺は拍子抜けしてポカンとする 「え……なんで知って………」 「……………って補習の貼り紙に書いてあった」 「!!…おま…お前まさか見たのか!?」 「ウチのクラスの前で補習がどうのって騒いでたら見るっつーの」 「………うぅっ…」 確かに、水無瀬のクラスの前には学年掲示板がある そういえば健に、3教科補習とかバカだろって馬鹿にされたよ名指しで!! 先週の自分と健を黙らせに行きたい… ベッドに突っ伏す俺の気持ちなど露知らず、リアナは 「まぁ、救世主様は長いお名前なんですね!」 と、どーでもいい事を気にする すかさず水無瀬が「いや…」と突っ込みを入れる 「名前だけならこいつは秀人…俺は秀…簡単だろ?」 「ヒデト様とシュウ様ですね!…あ、ヒデト様!申し遅れました。私はリアナと申します…このリザーラス大陸の王女でございます」 スカートを摘まんで丁寧にお辞儀するリアナに、俺は「王女っ!?」と飛び起きる 「そうか……王女だから男同士で番とかおかしな事を言ってんのか…」 きっとこのリアナという王女は世間知らずなんだ 言葉遣いは綺麗だけど天然っぽいしなぁ… うんうんと自己解決する俺が何を考えているのか分かったのか、リアナは腰に手を当て俺を睨む 「失礼な事考えないでください!私でも男同士では子供が出来ない事くらい知ってます!」 ぷくっと頬を膨らませるリアナに俺は、顔が引きつる 「だったら俺とこいつが番とかおかしいだろ!!」
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

642人が本棚に入れています
本棚に追加