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ゲームの様に武器を持ったら簡単に扱えるわけでもない、ましてや魔法なんて…それこそ使えないし、使えたとしても扱い方がわからない
難しい顔をする俺に、リアナは俺達の指輪を指差す
「指輪に口付けてください」
「……指輪に?」
意味がわからなかったが、仕方なく自分の指輪に口を寄せる俺に、リアナが「そうではありません!」と両手を握り締めて怒る
「シュウ様の指輪に口付けるのです!」
リアナの言葉に青ざめる俺に、水無瀬が俺の顔の近くに左手を差し出す
「だってよ」
「……なんでそうなるんだよ…っ!」
「別に俺にキスしろって訳じゃねーし、とっととやれよ救世主」
「………っ!!こうかよっ!!」
やけくそで水無瀬の指輪に口を付けた瞬間、何故か俺の指輪が強い光を放つ
「………すげぇ……」
強い光は大きな剣の形になり、スッと俺の前に浮かぶ
剣を掴んでみると大きさのわりに全く重くなく、手に馴染むのが分かる
「これが……愛の結晶なんですね…感動です…」
「だからそれやめろって!気色悪いっ!!」
涙ぐんで感動しているリアナに俺は思わず突っ込む
でも…これなら俺でも扱えるかも…
そう思って剣の角度をカチャカチャと変えていると、水無瀬が剣の柄を掴んでいる俺の手ごと強く握ってきた
「…なんだよ?使ってみたいのか?」
ニヤニヤして聞く俺に水無瀬は「はぁ?」と顔をしかめる
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