1・まさかの救世主

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次第に仰向けで携帯を見ているのが辛くなってきて、体を横に向けた瞬間チャリッと今日貰ったキーホルダーが指に滑り落ちる 陽の光でも綺麗だけど、電気の光でも充分綺麗だな… 指の先でつつきながら、キーホルダーの先についた玉を転がしていると急な眠気に襲われ、俺は慌てて起き上がる 「……あっぶねー……やっぱ寝不足かな…今寝たら健に…」 怒られる…そう思って頭を振るが、眠気が全然飛ばない それどころかどんどん眠気が増して仕方なくなる どうしたんだ…俺… とても起きていられなくてベッドに再び突っ伏す それでも必死に眠らないように頑張ってみるが、どうしても目を開けていられない パタンと携帯を持つ手が布団に落ちるのとほぼ同時に、俺は吸い込まれる様に眠りに落ちた 「ああ、なんという事でしょう…救世主様、目を覚ましてください…!」 ………? 綺麗な………女の声? それにしても…学芸会レベルの台詞だな… あー…でもこれ、ゲームかなんかで見たかも… 夢……?だったら起きなきゃ… …でもダメだ…目が開かない…… 「番が現れたというのに…どうして彼は目を覚まさないのですか!?」 おいおい、泣いてねーか? …てか……つがい…? この言葉どっかで聞いたな…あ、夕方寄った変な店の店員が言ってたな… 意味はたしか… そこまで色々ぼんやりとした意識の中で考えていたら、チャリッと耳元でハッキリ音がした
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