決意

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先に実家に寄って玄関先に荷物を置いて、病院まで送って貰って先生とは別れた。 今日からは俺が居ると云う事と、聖也の容態もかなり安定してきたので両親は通常通りの勤務に戻った。 この病院は完全看護ではあるけれど、身内に関しては申請さえしていれば面会時間関係無しに会いに来れるし付き添いで泊まる事も出来る。 最も大部屋だと他の患者の迷惑になるから余り頻繁に出入りも出来ないけれど、今はまだ個室だから両親も仕事の行き帰りに顔を出す事が出来る。 「兄さん」 ドアを開けるなり、上半身を起こした状態でベッドに凭れていた聖也が満面の笑みを浮かべた。 「こーら。まだ動いちゃダメでしょー?」 採血の途中だったらしく、看護師さんに叱られて苦笑する。 全くこいつは。 もう直ぐ二十歳になると云うのに何時までも子供みたいだ。 血圧や熱を測ったり、朝の測定をしている間何気無く部屋を見渡せば、備え付けの棚とテーブルの上に大小の包みや寄せ書きや手紙などが置かれていて、花瓶には綺麗な花が生けてあった。 小さなクリスマスツリーまでも置かれている。 面会謝絶が解けてから、大学の友人やニュースで知った昔の友人達が引っ切り無しに見舞いに訪れるらしい。 こないだの日曜に俺が来た時も、大学の友人が訪ねて来た。 他にも未だあの事故で入院している学生があと二人居るらしく、偶に訪ねて来てくれるから退屈はしなくて済んでいるみたいだ。 腰や半月板の所為で未だ安静を強いられていて、部屋から出る時は付き添いと共に車椅子使用がきつく云い渡されているから、アウトドア派で無くともキツイと思う。
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