繋がる想い

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聖也の体はすっかり回復してはいるけれど、まだ腰にあまり負担を掛けてはいけないからと、医者からはコルセットの着用を云い渡されていた。 けれど本人は暑いだの苦しいだのと目を離せば外そうとするから、その度に叱って無理矢理付けさせていた。 まあ俺も経験あるから分かるけど、夏場のギプスやらコルセットやらは本当に辛い。 花火の音が遠くに聴こえる。 何処かで花火大会でもやっているのだろうか。 「前から思ってたんだけど……」 入院中の遅れを取り戻す為、聖也はレポートやら課題やらに追われていた。 ペンを置いて、じっと俺の顔を見る。 「それ、度、入ってないでしょ。面倒臭く無い?」 大学入学と同時に掛け出した伊達眼鏡。 外すのはヤる時と寝る時くらいでずっと付けていたからもう違和感は無かった。 椅子から立ち上がり、聖也のベッドに背中を預けていた俺から眼鏡と捲っていた雑誌を取り上げる。 「邪魔」 云いながらそれ等を机の上に置いて、投げ出した足の上に乗っかってきた。 肩に軽い重みが掛かり、綺麗な顔が近付いてくる。 唇に触れた熱をもっと感じたくて、後ろ頭と尻を抱き寄せ舌を割り入れた。 聖也と今度こそ気持ちを繋げてから、未だ俺達は体を繋げてはいない。 ただこんな風にキスしたり、抱き合って眠るだけだ。 性欲が全く無い訳では勿論無くて、こうやって唇を合わせているだけで下半身に熱が集まるのが分かる。 だけど幾ら骨がくっついたからと云って、未だコルセットの必要な細い体に負担を掛けたくはなかった。 なのに。 「ん………ねえ……兄さん……」 こいつはこうして俺を煽ってくる。
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