記憶の彼方に。過去ルート、謎の本屋さん

過去ルート。謎の本屋さん

茜の葬儀はそれはそれは盛大なものであった。

若いときは時の歌姫。ワールドカップ優勝メンバーの妻(ちなみに、長男、次男は共にヨーロッパリーグで活躍。長女も、うちの次女舞花とバンドを組んでスーパーアイドルに。)作曲家として数々のロングヒットを連発し、晩年は女優や、プロダクション社長として活躍していた茜。

日本だけでなく、世界各地の著名人が葬儀に駆けつけ、全世界が涙した。

俺たちは家族総出で葬儀の手伝いをした。受付だけでも長蛇の列。数十ヶ所に設置してもたりない。友人関係はこの人事にかりだされるのである。

しかし、受付も楽ではないが、嫌ではない。なにせ、世界各地の超有名人が来ているのだ。茜には悪いが自然とテンションがあがった。

棺の中の茜は眠っているようである。外傷は一切ない。「あーあっ、よく寝た」っていつものように起きてきそうだ。

死因は心臓発作…。

ということになっている。正座10人衆の一人で医学会のトップに君臨する、青山浩之。彼に頼んで改竄してもらったのだ。

とても世間に発表できる死因ではない。

外傷なしで、脳と内臓全て抜かれたのである。

犯人は、ナイトメア。茜が持ってきた如何わしい書物。書かれていた、人生をやり直す方法を実行してしまった俺達。ナイトメアの姿を見た茜が犠牲になってしまった。