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その場所は…。
なんと三重だった。
湯の山温泉のさらに奥に入った場所。人気のない森を歩く。
「ねぇ、ほんとにここで合ってるの?」
息を切らしながら、あやめが文句を言う。
やはり還暦を迎えると体力もなくなってくるのだな笑。
あやめの手を取り、エスコートする。
「んっ?なんか嫌なこと考えてない?」あやめが覗き込んでくる。
適当に誤魔化しながら先へ進む。
(本編を読んでくれている皆様にはわかるかと思いますが、あやめの読心術がでてません。あれは、転生の特別能力でこの世界では発揮されないのです。さらに、この世界が一番のため、誤魔化されることがわかってないあやめなのです。)
薄気味悪いトンネルが目の前に。
「ゆ、ゆうちゃん…。」あやめは涙目になっている。俺も躊躇しそうな危なそうなトンネルなのだ。
「行こう。あかねは一人で行ったんだ。俺達が行けないなんて「言えないよね。」…。」
あやめは決心したかのように、俺の手を引いてトンネルに入った。
「あっ、出口よ。」
真っ暗なトンネルをスマホの明かりを頼りに進む。どれくらい歩いたかわからない。ただ、茜を助けるという、俺たちの強い思いが足を進め、遂に出口の明かりを見つけたのだ。
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