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「何?ここ?」
トンネルを抜けると…。
そこは城下町であった。
「嘘でしょ?なんなのよ。」
大河ドラマで見る世界がそこに広がっていた。
「裕ちゃん、私達みんなから見えてないみたい。」
そうなのだ。西洋の見たことがない服装をしている俺たちに町のひとは全くきがついてないのだ。
「進もう。」目的地に向かって二人で進む。
そして…。
城下町の最果ての1角にいかにもという風貌の建物。「本屋さん」と書かれた看板のお店を見つけたのだ。
入るのに躊躇する建物だ。
「行くよ。」
あやめが俺の手をひく。
あのオカルトがからっきし苦手だったあやめが?
しかし、握る手は汗でびっしょり。振るえていた。
あやめの肩を抱き、店にはいる。「ありがとね。」ぼそっとあやめのお礼が嬉しかった。
「ほう、人間が来るとは、四年ぶりだな。確か、歌手の女だったか?
何でも叶うおまじないの本屋さんに何をお探しかな?」
推定年齢100越えてるだろ?っていうお爺さんが出てきた。
「じゃあ、やっぱり茜ちゃんは?」
「あの女の名前か?別のものが来たとなると…。転生の書を使ってしまったのじゃな。」
お爺さんはとても悲しそうに空を見つめた。
「裕ちゃん?」「みたいだな。」
茜はやはり転生の書を希望したようだ。散々危険な書であることは説明したのだが、頑固な茜はそれを押しきってしまったらしい。
「ナイトメアが言ってました。3回目に戻ればいいと。」
「わしがわかっていることを話そう。攻略に役に立つはずじゃ。」
最初茜が言ったように、3回やり直せて、3回目に再び俺とあやめが結婚すれば俺たちの勝ちらしい。3回目は今の世と同じ流れにならなくてもよいそうだ。
2回目までは俺はあやめか茜としか結ばれず、あやめは俺しか結ばれないらしい。だが、3回目はその縛りが解除され、俺もあやめも誰とでも結ばれる可能性がある。ただし…。
また、あやめはナイトメアを見ているので、今回のキーパーソンになるらしいのだ。
転生に役に立つ能力を身につけ、3回目は記憶がはっきりした状態で甦るらしいのだ。
また、俺たちにはチートな身体能力と頭脳が加わるそうだ。
「これが、一番重要じゃ。3回目、男は…。」
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