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「―――!!!」
色が変わった。
俺はまだしゃがんでいない。
タイルのあった場所を確認すると、田中が腰に巻いている紺色のカーディガンに被せられて見えなくなっていた。
「田中。そのカーディガンめくって」
何か察したらしい田中が、タイルのあった場所のカーディガンをめくった。
ズンッ!!
少しして地面と天井が白色に戻った。
「布を被せたら良いのかも」
何かで覆えば。
田中はそう呟くと、ポケットから少し厚めのハンカチを取り出し、タイルに被せた。
時間差で地面と天井の色が変わる。
壁を壊すだけじゃなくて良かったみたいだ。
ズレないよう、誰かの靴を上から置く。
「他にも色の違うタイルがあるはずだ。探そうぜ」
田中は視線を合わせないまま、コクリと頷いた。
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