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恋?それとも…………?
6月25日
《俺はT荘に人生を狂わされた、天罰が下ることを願う》
復讐サイトを見ていた俺はこんな記事を見つけた。T荘ってのは、まさか椿荘?
イヤ、気のせいだろう。
アパート、旅館……………………荘がつくところなんて星の数ほどある。
勘弁しろよ?復讐するのは結構だけど俺を巻き込まないでくれ!
カッツェではネットも出来る。
ケータイでは危険なネットには繋がない。
変な奴とはもう繋がってない。
復讐なんてやめた!
「ペルシャ猫だ~可愛い」
甲高い声が聞こえてきた。
ブースから顔を覗かせた。やっぱり!
咲子チャンだ。
ヤバいな?復讐が趣味だなんて知られたら軽蔑されるだろうな?
「そうなんですよ?カッツェはドイツ語で猫、私は猫が大好きでね?」
「うわぁ、マンチカンだ」
猫なんか対して好きじゃねぇや。
八つ裂きにしてやろうか?
ここは俺の隠れ家だ、咲子に知られるわけにはいかない。延長料金かかってもガマンだ。
「うわぁ、臭いねぇ?」
「臭い?」
「ウンコの臭いがするよ」
「ゴメン?年寄り相手だから」
この野郎!俺たちの仕事馬鹿にしやがって!
こっちだってニャアニャアうるせーのガマンしてやってんだよ!
「へ?」
「イヤァ、ワタシ介護してるんですよ?これがとんだブラックな会社で」
え?椿荘ってブラックだったの?
和尚さんとかユニークで優しいと思うけどな?
槍杉ヨシ子先生と再会して運命感じちゃったりしてたし?咲子の忍耐がないだけじゃないの?
「和民?アソコってヘルパー自殺したじゃん?」
「そんな有名じゃないですよ、椿荘ってゆーんですけどね?残業代もほとんど出ないんですよ?それにしても失礼ね!?客に対してウンコ臭いなんて」
「イヤァ、勘違いですって?猫がウンコしたばっかりだったんですよ?コラッ、リョウ」
何だと!?俺にケンカ売ってんのか?
「リョウってゆーんですか?この子?」
ニャアニャア。
なんだよ、猫の名前か。紛らわしいな?
「ワタシの知り合いにもリョウってのがいるんですけど、ナカナカいい奴なんですよ?」
デヘヘヘ、照れるじゃねぇか?
「へぇ?姉ちゃんのコレかい?」
顔が見えないからアレだが、マスターは親指を立ててるはずだ。
「そんなんじゃないですよ~タダの友達です」
心が凍りついた。やっぱり進藤殺そう!
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