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誕生日前日
24歳最後の日。
荷物を整理していたら、私宛の手紙を見つけた。
『京子へ』
封筒にはそれだけ書いてあった。
封はしてなく、中の手紙は直ぐに取り出せた。
内容は、祥子に何かあった時の為に書き残しておくといったような内容だった。
何もなければいずれは直接祥子の口から直接伝えたい。でも万が一の時の為にここに書き残しておく、と。
そこで初めて分かった事がある。やはり祥子は一度たりとも私には嘘は言ってなかった。
「出所はいつ?」
「来年の4月」
「その時はきっと迎えに来るから」
「本当に?」
そう言った後、二人の目には涙が浮かんでいた。
「だって、誰も悪くないもの」
手紙の内容は衝撃的なものだった。
実は祥子は私の母親ではなかった。
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