ファースト・キス

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 最近、ましなコトといえば、将馬サマが帰ってきたお陰で、女中頭のアサダさんの機嫌が良いことくらい。  さっきもアサダさんは、ノリノリで将馬様の当日の衣装を選んでいた。  あの星の王子様みたいなマントにカボチャパンツ…メイドさんのコスチュームといい、彼女のセンスはちょっとどうかと思うんだけど_____  辛~い単純作業のツネ。  変なことばかりを考えながら、ようやく99枚目を磨き終わった時、使用人用の扉から、辺りの様子を伺いながら、レイカ様が入ってきた。  嫌な予感しかしない…… 「よーつーばーちゃん? ちょっと……お願いがあるんだけど~」  キタ。  とっさに目を逸らした私の真正面に、すかさず彼女は回り込んだ。 「ななな、何ですか一体」  妖精の国のお姫様みたいな彼女が、キラキラと瞳を輝かせると、女の子の私でもついドキッとしてしまう。 「うーん、実はね………」
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