君を抱く

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「見捨てる、だなんて…」   たまらない気持ちで、いつしか私は叫んでいた。 「好きですよ!  ずっとずっと大好きです。例え世界が違おうと、婚約者がいようと、酷い仕打ちをされようと……… それだけは絶対に本当です。 だけど…」  熱くて強い眼差しは、真っ直ぐに、真実だけを求めている。  少しでも怯めば、さっきの言葉は嘘になる。  私は目線を逸らさずにじっと彼を見つめ続けた。  ややあって、彼がフッと気を抜いた。  表情がみるみる和らいでいく。  互いに目を見て微笑み合った、その次の瞬間。  別の衝撃が私を襲った。  
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