君を抱く

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「じゃあ、いいな? お前を俺のものにする。……抱くぞ」  エ………だく? 「…今、何と?」 思わず私は聞き返す。 「何度も言わすな」  何だか少し照れている。  聞き間違いではなさそうだ。 「抱くって…ギュッとするやつ?」 「なわけないだろ」 「もしや…繋がったトンボさんのように…こ、交尾する方の“だく” ?」 「もう少しましな言い方が出来ないのか」 「ち、ちょっと待って下さいよ。  だってそんな、いくらなんでもイキナリすぎて…  まずは仲良くお話するとか、お手て繋いでランランラン…」 「お前最初、風俗行こうとしてたじゃないか」  彼はぐいっと詰めよった。 「いやその……あの時は切羽詰まっていたといいますか…」  彼が押し迫る分、私も後ろに引き退がる。 「将馬にもヤられそうなってたじゃないか」 「あれは事故でっ」  そ、そんなぁ、  一体どうすればイイの!?  ちょっと感覚が追い付かない。
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