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私はぎこちなく頷いた。
オンボロの部屋、古ぼけたコタツの横で、彼がフワリと私を覆う。
ただただ息を呑む私に、彼の唇が重なった。
本日2度目の口付け。
それは、畏れるように震えながら、けれどあくまで甘く優しく、ゆっくりと私の唇に押しあてられた。
何故だろう、1度目のそれとは全然違う。
あれだけ冷たく冷えきった気持ちが、今度は嬉しくって熱い心に変換されていく。
そうか、きっと想いが通じあったからなんだ…
彼が唇をそっと離す。
潤んだ瞳で見上げる私に、照れているのか、彼は少し困ったような顔をした。
「メ」
え?
ここにきて、お叱りですか?
「目を閉じろ」
あ…そうでしたか。
私がぎゅっと目を閉じると、その感覚が再び私に下りてきた。
2度、3度。啄むように綴じ目を重ね合わせ、ちゅるっと軽く下唇を吸った後、暖かく湿ったものがたっぷりと口腔を満たしていく。
「…ん…ぁ」
小さな声が漏れ出すと、彼はさらに深く激しく、私の粘膜を刺激した。
恥ずかしい…けれど心地良い。
いつしか私は、彼に合わせて夢中でそれを受け止めていた。
が。
やがて唇が離され、ポーッと逆上せ上がっている私の胸元に、彼の指が滑り出してくると____
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