君を抱く

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「ちょっと待て。何でムネからハンカチが出てくるんだ」 「エッ、いや、ちょっと余っちゃって…わきゃっ」  気を取り直した彼は、ポイポイと丸めたハンカチを放り投げ、ツルリと上からワンピースを剥いてしまった。  そうして今度は、脇の辺りに腕を潜りこませてきた。 「ち、ちょっ、擽ったい! そこ弱くって…にゃはっ」 「ちょっと静かにできないかっ。  死んだマグロのようにだらりと寝そべっとけ!」  …怒られた。  私は冷凍マグロのように、ガチッと気をつけをした。  引き続き彼は、ブラのホックを器用に外す。胸の拘束が解かれたのが分かり、私は羞恥に目を瞑る。  すると彼、何と露になった胸に吸い付いてきたじゃないか!  驚いた私は思わずニュッと首をもたげた。 「やだなぁカチョー、 何だかアカチャンみたいですよ?」 「うるさいっ、お前もう喋るなっ」  真っ赤になって怒った彼は、舌で先端を転がしはじめた。もう一方の指で、ほんのり赤い先端をきゅっと摘まんで刺激する。  ちょんっと先をつついたり、引っ張ったりつねったり、コリュコリュと捏ねてみたり、さっきから変なことばっかりしてる。  うっ、何か面白いし…痛くすぐったい。  でも笑ったら怒るしな…  あ、あれ…?  そうして我慢しているうちに、急速に、お腹の奥が我慢できないくらいキュウッと疼きはじめた。
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