君を抱く

10/15
前へ
/283ページ
次へ
「あっ…」  思わず変な声を上げた私を、彼はニッと上目に見た。  そうしてさらに、片手をドレスの中に滑らせていく。  内腿をサラリと撫でると、おもむろにストッキングを引き下げた。 「やっ…ちょっと待って…  さっきからソコはムズムズしててっ」  もしかしたらビョーキかもしれませんっ!  慌てて手を抑えようとした私の手首は、彼に逆に捕まれた。 「そうなるようにしてるんだ。…ホラ、ここ」  彼は私の手首を繋いだまま、ソコにそっと手を充てた。  ヌルリと湿った感覚が伝わって、私は弾くようにそこから手を上げた。 「あ…あ」  これって…  彼はニッと笑かけると、すっかり熱くなってしまった私の耳に囁いた。 「四葉は…素直でいいコだな。さあ、もう喋るな。あとは俺に、全て委ねろ」  私の口を塞ぐように、深く深く口付ける。      同時に指が、下着の上から私の性感を探るように繰り返し溝をなぞっている。    息もつけない甘やかなキスと、初めての愛撫に、いつしか口の端からは、甘い声が漏れ出した。 「ふぁ…あ」    
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4704人が本棚に入れています
本棚に追加