君を抱く

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 彼の大人力、色気をもってしても、私のお子様度合いはいかんともしがたかったようで。 「いいっ…痛いっ。ムリですっ、そんなのムリぃっ」 「ちょっ、ちょっと待てっ。まだ2ミリも挿れてねえぞっ」  上にずり上がって逃げようとする私を、彼は必死で押さえ込む。 「ヤダーッ、そんなの入らない!  そんなの四葉が裂けちゃいますっ。シモベ四葉が、真っ二つにっ」 「裂…、大丈夫だ、落ち着け四葉、安心しろ。 俺のは至って普通だから。ホモサピエンス標準サイズだっ」 「ム~~リ~~」  狼狽える私にたっぷりと時間をかけ、(主に彼が)散々苦労した末に。 「……カチョー……イタイ…」  「………悪い」  ロマンティックの片鱗もないまま。  何とかその夜、私達は結ばれた。
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