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深夜___
2人には狭すぎる私の部屋のシングルベッド。
軋むような身体の痛みと灼熱感に、眠れない私は、シャツを肌けさせたまま寝息を立てる彼が起きないよう、ソッと寄り添ってみた。
終わった後、彼はとっても優しかった。
真っ白なハンカチで、処女血をそおっと拭き取った後に、ちょっと泣いてしまった私の涙を優しいキスで拭ってくれた。
それから私を抱き抱え、ベッドまで運ぶと、私をずっと抱き締めて、そのまま疲れて眠ってしまった。
なんて哀しい人だろう…
人の羨む全てを手にし、その実何も持っていない。
繊細で、優しい心を持ちながら、そんな自分を押し殺して、そのうち分からなくなって。
暖かい情を求めながら孤独の中に身を置いて____
涙が一筋、頬に伝った。
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