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その夜の歓迎会での事。
伝統的にこの課の宴会は派手で騒がしいのが特徴だ。
少し肌寒い夜桜の下で和気藹々と、時に激しい言い合いを交え、宴の時は進んでゆく。
時間も回ってくると、帰る人は帰り、それぞれ自由に席を動いて、仲の良さに応じていくつかの円陣が出来ていった。
下っ端の私も、前半こそお酒や料理の給仕に追われていたものの、後半は若い連中の輪に加わって楽しくやっていた。
私の隣で、いつになくハイテンションな香河さんは大いに場を盛り上げていた。
昼間にあんなことがあったのに、私にもいつもと同じに接してくれる香河さん。
彼はやっぱりイイ人だ。
やがて仕事の話題も尽きると、それは恋の噂に切り替わる。円陣の向こう端から、だんだん話がこちらに的を回ってきている。
ちょっとまずいな…
自意識過剰かもかもしれないが、私のコイ話は機密事項だ。
ソワソワと、トイレのふりで席を立とうとした時だ。
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