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「じゃあ……四葉ちゃん、もう1回。お願いします!」
彼がフザケたように私に向かって頭を下げると、辺りに冷やかしの声が響きわたった。
え~、何だよ、そういう事?
ウソだ、誤魔化すなよ~~
「ハイ四葉ちゃん、返事はぁ?」
何も知らない皆は、酒の肴とばかりにからかった。
私は何も答えられない。
と、
「ホントだって。なあ、四葉ちゃん」
一緒になって笑っていた香河さんは、フザケたように私の肩に手を回した。
ふと、隣の輪にいた藤城課長がこちらに目を向けたのが見えた。
彼もそれに気がついたのか、挑むように課長の方をジロリと睨んだ。
そして……
「くっそー四葉ちゃん。四葉ちゃんは
、やっぱりカッワイイよなあ。
なあ、やっぱり俺に…しとけよ」
香河さんは皆の前で、私をギュッと抱き締めた。
ちょ、ちょっとぉ~
藤城課長、これは違いますからね。
私は心に変な言い訳を浮かべ、縋るように彼を見た。
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