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で、私と藤城課長との関係性。
最近まで私は、自分は彼にとっての『4号さん』って事になるのだろうと、イヤに冷静に考えていた。
だが、それにも変化が生じていたみたいだ。
「あれ、今日はリオちゃんのところでは?」
季節は梅雨。
ある雨の夜、深夜バラエティを見ながら笑い転げていた私は、肩を濡らしてやって来た彼に、軽い気持ちでポロッと言ってしまった。
暇な時期の藤城課長は、3人いる彼女さん達と、月水金のローテーションでデートするのが日課だったから、てっきりそのつもりでいたのだが…
途端に彼は、不機嫌そうに眉をしかめた。
「切ったよ、皆。もうだいぶ前だ。冷めた」
「切…った?」
意味が分からず復唱すると、
「別れたってことだ。
元々そういう約束の割りきった関係だからな。
向こうにも見返りは充分与えたつもりだよ」
吐き捨てるようにそう言って、私の傍らに座り込む。
けれど私は、その言葉の冷たさに、どことなくショックを受けて、宙に目を彷徨わせた。
「切った、別れた……」
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