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彼が3人の“お妾さん”と別れたという。
つまり今、藤城課長には、私ひとりだということだ。
嬉しくないと言えば全く嘘になるが…
それは両刃だ。
私は今、彼のお気に入りの玩具(オモチャ)に過ぎない。
愛情を、飽きた玩具のように切捨てられる彼。
それはきっと、私にだって同じ事。
私だっていつかは……
恋をして、恋が叶って知ったこと。
それは甘くて楽しくて、心が浮き立つばかりじゃない。
時にギュウッと苦しくて、胸が千切れるほどに切ないもので_____
つい、涙が流れてしまった。
「…ゴメン。辛かったか?」
それを目鋭く見つけた彼は、さっきまでの荒ぶりが嘘みたいに、心から心配そうな顔をして、フワリと私を抱き締めた。
私はプルプル首を振った。
ううん、違うの。
身体はあまり辛くはないの……
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