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「いつ戻れるか分からないんだ…
そんなに長く離れ離れだなんて…俺にはとても考えられない」
うっ。
この状況(シチュエーション)からのコロし文句。
私は、コロッとコロされそうになるのを水際で思い留まった。
「な お さ ら です!!
いくら私がろくな仕事してなくってもね、そんなに長くは休めません。
だいたいね、そんな長いことカチョーと私が職場から消えていたら、怪しまれることこの上ないじゃあないですか」
「俺は別に構わないぞ?
寧ろ他のヤツらには教えてやりたいくらいだ」
ニッと笑って眉を上げる。
「ぐっ…そりゃあカチョーは来年あそこを離れるから良いでしょうが…
私はずっとあそこにいるんですよ?」
私が口を尖らせると、
「…分かった」
ついに彼は淋しげにドアを開けた。
勝った!
初勝利の喜びに拳を握りしめた私に、振り返り様に彼は告げた。
「1時間後、タクシーがくる。1週間の準備を整えておけ」
アレ?
「いっ…週間?
ちょっと、全然分かってないじゃないですかっ」
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