課長の正体

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「ああ、あのな。明日からオマエ、ウチに来い」  彼は卓上から紙を回収すると、とんでもない事を言い出した。 「エエッ。  そ、そんなイキナリ…」 『同棲』をご所望なのですか!?  私の脳内が、再びピンク色の妄想でいっぱいになった。 『四葉……ずっと前から好きだった』 『で、でも私…こういうの初めてで』 『大丈夫、優しくするから』  『イヤだ、は、恥ずかしいっ』  だが次の瞬間。  流れるような美声は、信じられない一言を放った。 「オマエ、ウチの住込みのメイドとして働け」 「か、課長。私まだ心の準備が…… へ? 今……何と?」 「うん。オマエさ、俺に借金あんだろ? テメエの安月給だけじゃ返済にいつまでかかるか分からんし…その分カラダで返してもらおうかな~、と。  食事と住居費もタダだから給料全額、俺に返せるぞ」    あれ? 「可哀想な私にナサケをかけて、お金持ちのカチョーが借金を肩代わりして下さったのでは?」 「んな訳ねーだろ、義理もないのに。  お金持ちはな、出口をしっかり締めるからお金持ちなの。対価はキッチリ頂くとも」  あれあれ?
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