チチカエル

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「い、嫌ですよ!  グループ総帥の秘書だなんて」  私にそんなスキルはない!    即答した私に、彼は拗ねたように唇を尖らせた。   「近くに居てくれるだけでいいんだ。それだけで俺は、仕事が捗るんだから」 「今のトコロが私は好きですっ」   未来の総帥に、必死の抵抗を試みる も… 「___俺達はただでさえ、逢える時間が少ないんだぞ?  いい考えだと思わないか。  そうすれば、出張先でもどこでもオマエをイタぶれる…」 「じ、冗談じゃないっ……あ…」  彼はクッと口角を上げると、あながちジョークでもなさそうに、ルームパンツのウエストゴムに手を滑り込ませた。   悪戯っぽく笑いながら、あっというまに下着ごと、ツルリとそれを膝まで下ろす。 「結納を交わしたその夜に…こんなことしちゃぁ、ダメですよぉ…」 「…何だ、知ってたのか。 形だけだといっただろう? それとも…妬いてるのかな?」  そう言って少しだけ眉をしかめると、彼はダイレクトに、私の一番感じるところを親指と人差し指の腹にギュッと摘まんだ。 「あっ…」  
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