チチカエル

5/17
前へ
/283ページ
次へ
 小さな叫びを上げた私の、トレーナーをブラと一緒くたにたくしあげ、乳房を己に引き寄せた。  「ん…ダメですってば…はっ…」  少し刺激を与えられただけで、もうすぐに硬く尖ってしまうようになった先端にチュッとキスをしたあとで、甘えたように吸い上げる。 「そんな事を言われたら」 「いっ…」  その間、焦らすようなソフトタッチでソコをクリクリ弄んでいた二指が、グリッと内膣(なか)を探った。 「ますます虐めたくなるじゃないか…」  彼は身体の位置を入れ換えると、上位から私を見下ろした。   「言えよ、次はどうして欲しい?」  妖艶に流す視線に、色を含む囁きに、次を期待してゾクリと身震いする私は、すでに彼の掌の上。   「キスして……欲しい」  躊躇いながら告げた唇に、勝ち誇った彼の顔が重なった。 「次は?」 「……いっぱい……跡つけて」 「悪いコだ」  口の端に微笑みを浮かべながら、唇から、流れるように首筋に、首筋から鎖骨にかけて、脇から胸に…彼は唇の軌跡を描く。  チクッとする小さな痛みとともに、赤く残る所有の徴(しるし)を私はうっとりと眺めやった。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4706人が本棚に入れています
本棚に追加