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翌日。
夜、日課を終えて部屋に戻ると、リボンのついた銀色の小箱と、彼からの「開けて」のメモがコタツの上に、無造作に置かれてた。
「?」
開けてみると、見たこともないほどデッカイダイヤの指輪。
暫く目を見張った後、私は指輪(それ)を恐る恐る手に取った。
裸電球に翳してみると、あらゆる角度で色を変えて、虹色の煌めきを放つ宝石(いし)。
ウワア…すっごい。
きっとこれは、私への “結婚指輪” のつもりだろう。昨夜のこと、彼なりに気にしてるのかもしれない。
タカトラさんは、
あくまで意地を通すつもりなんだ……
クスッと哀しい笑みが漏れた。
もう一度、マジマジとそれを眺め、
__これ売ったら、借金かえせるんじゃないかな~。まさか……ガラス玉じゃ、ないよね?__
なんて、不謹慎な事を考えていた時だった。
♪チンチロリィ~~ン♪
突然、コタツの上のスマートフォンがディスプレイを光らせて、最近久しく聞かなかった変な着信音を鳴らし始めた。
アレ?この音は…
まさかとは思いつつも、急いで額面を確かめる。
そこには、あり得ない名前が表示されていた。
[オトウチャン]
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