チチカエル

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 傘(エモノ)を放り投げ、オレンジ色の街頭の周りを追いかけ回すこと数分。  漸く私は、彼の首根っこを捉えた。  全く。  我が親ながら、逃げ足だけは速いんだから。 「ハァ、ハァ…  待てって言ったでしょうが。  アンタのお陰で、私がどんな目に遭ったと思ってるの!」 「い、イヤァ、美咲ちゃんなら何とかなるんじゃないかなって…ハハッ」 「バッカヤロ~~~!  なるわけないだろがっ」  ポカポカと頭を叩く両手を腕で庇いながら、彼は切々と訴えた。 「イタタっ、美咲ちゃん、落ち着いて。 お父ちゃんの話を聞いて…」    ____________    今、私と父は駅の近くの公園のベンチに並んで座っている。  時刻は既に、深夜0時を回っていた。 「で?  2000万円もの借金を負い、更にそれを私に押し付け、音信不通になった理由は?」    また逃げ出さないように、しっかり右手を握り締めて、私は尋問を開始した。
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