4706人が本棚に入れています
本棚に追加
「ひぇええ~~、社長さんの跡取りが上司で……住み込みでメイド…
そりゃあオマエ、良かったなあ」
「良くないよ。
闇金からその人に借金が移っただけなんだからね?
500万円は負けてくれたけど、まだ殆んど残ってるんだから」
しみじみと感想を述べる父に、ぷっくりと頬を膨らませ、唇を尖らせた私。
と。
父が突然、シリアス顔をつくり、ベンチから立ち上がった。
「……ふっふっふ。
美咲や、父ちゃんが何故今日、ここに現れたと思う?」
「な、何よ…」
訝しむ私に、目一杯得意気な顔をした彼は、
ジャジャーン!!!
変な掛け声と共に、腹巻きの間から預金通帳を取り出した。
せわしい手つきで最後のページを開き、私の目の前にそれをずいっと差し出す。
「何よ、これがどうしたって……え?0、0、0……ゼロがが7つ。
い、いちおく円~~~!!!」
最初のコメントを投稿しよう!