チチカエル

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 ギシッ…ギィィッ…  上で二人が揺れる度、その重みに耐えかねて私のシングルベッドは私と一緒に悲鳴をあげる。  淫美な愛撫と熱い猛りに、原型を留めないくらい融かされながら、その夜、私の心はどこか別なところを彷徨っていた。  どうしよう……  以前は猜疑心でいっぱいだったこの人が、こんなに私を信じてくれて、優しい言葉ばかりをくれる。  無邪気な愛情、真っ直ぐな情熱____  思い上がりかもしれないが。  もし、私が彼に別れを告げたとしても、頑固な彼が素直に聞き入れるとは思えない。  お婆ちゃんもまた、それが分かっているからこそ、彼ではなく私の方に言ったのだ。  かと言って、私が黙って姿を消したなら、また母親のように裏切るのかと、絶望したりはしないだろうか。  ハッとした。  そうなれば、せっかく彼の心に宿ったかに見える暖かいものは、また冷たくなってしまう。  出会った時、いや、それ以上に高慢かつ冷厳な瞳をした彼は、きっと今度こそ、何も信じはしないだろう。  …あんまりだ。  私だって本当は、この腕に一生抱かれていたいのに。    あんまりな悲劇に酔っぱらいそうになりながら、ヒロイン四葉は、彼との別れを模索し始めている______
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