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「……そっか。
四葉チャンには、きっと今、苦しい事があるんですね。
でもね、四葉チャンは大丈夫。
私なんかと違って、一途で流されないヒトですから。最後には絶対、良いようになります!」
ニイッと唇を横に引いて、自信たっぷりに言い切る彼女。
その横で、ベビーカーにちんまり座ったアカチャンが同じ顔をして笑っていた。
久しぶりに、他人(ヒト)からかけられた暖かい言葉に、私は急に泣けてきた。
「お、お……オオガミさぁ~~ん」
「う、うわわっ」
思わず彼女に抱きついた私を、小さな身体でよろけながら抱き止めた彼女は、それ以上の事情は聞こうとせずにヨシヨシと、私が泣き止むまでずっと背中を擦ってくれていた。
私よりずっと小さな彼女からは、私の知らない『母親』の匂いがした___
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