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2人から勇気を貰ったのだと、そう思うことにした。
立ちはだかる問題にキチンと向き合うことを決め、私は行動を開始した。
次の日私は会社を定時で終え、お父ちゃんが働いている工事現場に直行した。
「お父ちゃん!!」
重機のエンジン音の中、声を張り上げると父は、日に焼けた顔を上げて満面の笑みで手を振った。
(ちょっと待ってな)
身振りで私に合図する。
父の仕事が終わるのを待ち、私達は連れだって近くのファミレスに入った。
「どうしたんだぁ?急に来てよ」
「あの…えーっと…」
ニカッと嬉しそうに笑いかける父に、私は思わず口ごもった。
私はまず、父に洗いざらいをぶちまけることにしたのだ。
ダメなところもいっぱいあるけど、それこそ昨日見たような赤ちゃんの時から、ずっと私を見守り続けてくれた父は、何と言っても私の大事なたった一人の家族だ。
父に全てを話した上で、彼の思いを聞いてから、自分の心を決めるんだ。
男親にこのテの話をするのは、実際かなり勇気がいるんだが…
私は羞恥をかなぐり捨てて、父に話を切り出した。
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