課長のホンキとシモベの覚悟

6/17

4702人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
「ふわぁ~、凄い」  私は思わず感嘆の声を挙げた。  大きなお座敷に、キレイな芸者サンが3人もいる。  いわゆる一見さんお断り、お茶屋遊びというやつだ。  綺羅びやかで華やかな宴席は、料理も美しく彩られ、飛び入りの私の分もちゃんと用意されていた。  芸者サンはさすがプロ、私にまで美しく微笑んで、気遣って下さる。  サイコー。  初体験にキラキラと目を輝かせていると、シルバーグレーが意味ありげに目配せした。  感謝をこめて、私からも微笑み返す。  が____  その後が酷かった。宴が進むにつれて、私は次第に唖然とするしかなくなった。  な、なんだこれは。  どうしたことか、あの高慢ちきな藤城課長が、見るもブザマな痴態を晒していらっしゃる。  目の前で繰り広げられているのは、日本古来の艷(アデ)なお遊び。  新聞紙の上で芸者サンを抱っこしてみたり、野球拳で飲ませてセマッて頬をパッチンされてみたり…  藤城課長ともあろうお人が、バーコードさんと一緒になって、みるも無惨な3枚目と化している。  シルバーグレーに芸者サンが『タスケテー』なんて抱きつくと、彼は『こら君、いい加減にしなさいよ』なんて叩かれて、それでもヘラヘラと間抜け面で笑っている…
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4702人が本棚に入れています
本棚に追加