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「ふわぁ~、凄い」
私は思わず感嘆の声を挙げた。
大きなお座敷に、キレイな芸者サンが3人もいる。
いわゆる一見さんお断り、お茶屋遊びというやつだ。
綺羅びやかで華やかな宴席は、料理も美しく彩られ、飛び入りの私の分もちゃんと用意されていた。
芸者サンはさすがプロ、私にまで美しく微笑んで、気遣って下さる。
サイコー。
初体験にキラキラと目を輝かせていると、シルバーグレーが意味ありげに目配せした。
感謝をこめて、私からも微笑み返す。
が____
その後が酷かった。宴が進むにつれて、私は次第に唖然とするしかなくなった。
な、なんだこれは。
どうしたことか、あの高慢ちきな藤城課長が、見るもブザマな痴態を晒していらっしゃる。
目の前で繰り広げられているのは、日本古来の艷(アデ)なお遊び。
新聞紙の上で芸者サンを抱っこしてみたり、野球拳で飲ませてセマッて頬をパッチンされてみたり…
藤城課長ともあろうお人が、バーコードさんと一緒になって、みるも無惨な3枚目と化している。
シルバーグレーに芸者サンが『タスケテー』なんて抱きつくと、彼は『こら君、いい加減にしなさいよ』なんて叩かれて、それでもヘラヘラと間抜け面で笑っている…
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