課長のホンキとシモベの覚悟

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 とても見ていられなくなった私は、お魚の煮付けをチマチマとつつきながら、始終、見てないフリで時を過ごした。 ……芸者サン達に見送られて料亭を後にして、やれやれ、やっと終わったのかと思ったら、次に指示されたのは、うってかわったネオン街。  銀座の高級キャバクラで、引き続き恥は繰り広げられる。 「イヤ~藤城さん。  上品なのも悪くないが、やっぱりこうでなくっちゃあねぇ」 「やぁねぇ、もうノノムラさんったらぁ」  キレイどころを両脇に抱え、肩のあたりをナデナデしながら、さっきからバーコードは鼻の下を伸ばしまくっている。  もうヤダ。  私…帰りたい。  例によって『君も来なさい』と言われ、固辞したにも関わらず、強制連行された私。  同年代のカワユイ女の子に傅(かしづ)かれ、オレンジジュースをついでもらっても、嬉しくも何ともない。  おまけに、お大尽遊びの若(バカ)旦那、藤城課長は相変わらず場を沸かせてヨロコんでいる始末ときた。
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