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なんだ、アレ。
ミットもないったらありゃあしない!
噂の通り、
“藤城課長は有能完璧、遊びもスマートなイケメン”
さぞや粋でスマートな遊び方をするんだろうと思っていた私は、もうスッカリ幻滅していた。
なにさ!
普段エラソーに気取ってるくせに、一皮むけばただのスケベ、金に飽かせて女遊びしてるタダのバカ坊っちゃまじゃあないか。
御主人様は
カッコ悪い!!!!
チュー…
私は怒りに任せ、オレンジジュースを細いストローで飲み干していた。
冷たすぎて頭まで痛くなってきた。
あーあ、早く終わらないかなあ…
憂鬱な気分でため息をついたその時。
「きみきみ、ちょっと此方にきなさい」
「いっ?」
女の子の1人が席を外したのを機に、彼らが急に私を呼んだ。
「は、はいっ」
促されるまま、2人の間に腰かけると、ガッチリ左右を固められる。
「君、飲まないの?」
「あ、あの。運転手なもので…」
引き吊り笑いを浮かべながら、しどろもどろに答えていると、バーコードが声を上げた。
「いいじゃないの、代行頼めば…ねえ、藤城くーん」
対面の席で女の子を沸かせていた課長がこちらを向いた。
「あ、ああ、ソイツまだ未成年なんで」
ちょっとだけ顔を上げ、しれっと言うと、彼はすぐに隣の女の子と話を続けていりは。
…ウソつき。
「そう…いくつ?」
「じ、19…かな?」
それでもヤツの顔を立て、私がとっさに合わせると、
「ダメじゃないの~、こんなトコで遊んでちゃあ」
どっと周囲に笑いが起こった。
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