課長のホンキとシモベの覚悟

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 それから私は、すっかり弄られ役になってしまい、にわかに質問攻めに遭った。  学生さん?なんで今日ココきたの?   トラちゃん(ここでの彼の呼び名らしい) のどういった知り合い?カレシいるの?かわいいね、エトセトラ… 「あの、はいエエッと…」  も~、カチョーってば。  こんなの、聞いてませんよぉ  知らん顔で盛り上がっている課長を恨めしげに睨み付ける。  そのうち反応がつまらなくなってきたのか、 「もー、若いコばっかりい!」  オネエサン達の誰かが言ったのを皮切りに、パタリと私への終わり、再びオジサマ方は隣の女の子達と話始めた。  ああ、良かった。  私はホッとして、氷の溶けた薄いジュースに口をつけた。   と、にわかに照明が薄暗く変わった。  彼のオーダーなのだろうか。  目の前に運ばれてきたグラスタワーに、気前よくシャンパンが注がれてゆく。    わあっと辺りから歓声が上がって……  違和感を感じたのは、その時だった。
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