課長のホンキとシモベの覚悟

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「ひぁっ!」  私の奇妙な叫び声に、近くの女の子が不思議そうな顔をしたので、私は慌てて口をつぐんだ。  気のせいか。  誰かに腿のあたりを撫でられた気がする。  隣の2人をチラッと見ると、ちょうど対面で始まった順番一気飲みを笑いながら眺めている。  お、思い過ごし…だよね。  気を紛らそうと、私も前に注目した。  するとまた。  今度こそ、はっきりと分かる。  気のせいじゃない。  今、おシリの下に手を入れてきた。  私はばっと隣のバーコードを振り返った。  しかし彼は、2杯目を空けた女の子に両手で拍手している。  ってことは、まさか…  私は、恐る恐る “センセエ” の側に向き直り、その表情を覗き見た。  すると。  彼は私を一瞥し、クッと唇を歪ませた。 瞳には、どんよりと暗い光……  間違いない、彼は自分が犯人だと告げている。  さらに今度は堂々と、下から内腿に手を這わせ始めた。 「あの…、やめ…て下さ…」  小声で注意しようとした私を “センセエ” は鋭く睨み付けた。  その目線が私に無言の圧力をかけてくる。 __いいのかい?この接待は、君が騒げば失敗するよ__
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