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“負けるもんか”
私はキッと顔を上げ、笑顔を装った。
平気なフリで手拍子さえとりはじめる。
しかしそれは、却って彼のプライドを刺激したらしかった。
耐える私を面白がるように、彼はさらに行為をエスカレートさせてゆく。
「っあ…」
思わず声が漏れ出てしまう。
大腿を這っていた指が、タイトスカートの中まで入ってきたからだ。
ヘンな声をあげた私を、バーコードが不審そうに覗き込む。
そして察したのだろう、慌てて目を逸らした。
さあ…どこまで我慢するか?
目が酷薄に笑っている。
ゾクッと背に寒気が走り、ジットリとイヤな汗が背筋を伝った。
やがて彼の指は、内腿を淫靡に撫で始める。
ガクガク震え、歯の根が合わない。
怖い、イヤだ、気持ちが悪い。
彼の指がストッキングを摘み上げる。安物のそれは、爪で簡単に破けてしまった。
(いやっ)
辛うじて悲鳴を飲み込むと、それはさらに図々しく、小さな綻びを押し拡げなから、下着に入り込もうとしている。
とうとう、一滴の涙が膝上に落ちた。
課長……助けて…私やっぱり…
「センセエ!」
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