マッサージの効能

3/6

4704人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
「ありゃりゃ、これは相当酷いですね」  カッチンカッチンに固まった肩は、モミモミするにも相当な力を要した。 「っつ……近頃ジムにも行けてないから…な」 「仕方ない、こうなったら…」  私は腕を捲り上げ、キラリと目を光らせた。 「カチョー、脱いで下さい」 「え」  ___________ 「っく…、ふぅ…あ、そこ…もっと」  ギシギシと揺れる小麦色の肌。  程よくついた筋肉が、ムチのようにシナる。  恍惚とした表情を浮かべる男。  その上に跨がる女は、男の呻きを聴きながら、満足そうに尋ねた。 「キモチイイ?」 「ああ……オマエ、最高だ」  ………… 「ってね、カチョー。紛らわしい声出さないで下さいよ」 「いやぁ、脱げって言われた時は、欲求不満の四葉に襲われるのかと思った」  コタツの傍らにうつ俯せたまま、課長はハハハと笑った。 「言っときますけどね! あのドラマはレッキとした純愛モノで…」
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4704人が本棚に入れています
本棚に追加