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しかしそれは、思った以上に過酷な節約生活で……そのうえに悪いことが重なった。
まずその1。
土曜日のメイド、オオガミさんがとうとう産休に入ってしまった事。
『まだちょっと早いんですけどね~。
ダンナサマが心配しちゃってて♪』
独特の、大盛りのノロケ話ももう聞けないかと思うと少し寂しい。
『きっと大恋愛だったんでしょうね、羨ましいですよ』
恋愛を禁じられたばかりの身。
皮肉混じりにそう言うと、彼女は少し苦笑いしていたが、
『四葉チャンにはね。
きっとこれから、すっごいシアワセが訪れます。ニンプさんの超能力、ラッキーオーラが見えますもん!』
あまりに自信たっぷりに言ってのける彼女に、いつものリップサービスだとは分かっていても、ついウルッときてしまった。
『オオガミさぁ~ん…』
すると彼女は、少し目立ってきたオナカに私の手を当てさせてくれた。
『ホラね?』
小さな命は、彼女の言葉に頷くように、お腹の中から私の手をぐいっと蹴った。
それでビックリしてしまった私は、本当にそんな気がしてきた。
『生まれたら見に来てね~』
いつまでも手を振りながら、ニコニコと彼女は去っていった。
で、そこまではよかったのだが___
問題はその後だった。
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