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何のことはない。
オオガミさんの後任のサトウさんが、えらく儚い人だったのだ。
『す、すみませんっ。体が弱くって…ゴホッ』
ただでさえ仕事に慣れない上、何かある度に咳き込む彼女にとても無理はさせられない。
このことで、女中長アサダさんのヒステリーも倍増し、結果、私の仕事量が1.5倍に増えた。
その2。
こちらは会社の方。
この間提出した資料の評判がことのほか良く、私の仕事内容が更にステップアップした。
でもコレは、私としては是非とも頑張りたいトコロ。
しかし残業出来ない上に、ペース配分も下手くそな新人の私は、どうしても仕事を持ち帰ることになったから、睡眠時間が削られた。
その3。
こちらはまた藤城の家で、これがもう致命傷だった。
なんと当家のワガママ令嬢、レイカ様がお戻りになってしまったのだ!
その日、いつも通りに課長の前に帰宅した私は、ヒトの気配に慄然とした。
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