家政婦がミタ!

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家政婦がミタ!

 お正月休みが終わると、私の仕事はかなり楽チンになった。  藤城課長が、早速 “配慮” してくれたのだ。  通いのメイドさんは4人体制になったし、課長にキツーくお灸を据えられたレイカ嬢も、あまり無茶を言わなくなった。  私も無茶な節制は止め、徐々に仕事とのペース配分にも馴れてきたから、もう倒れるような体たらくはしていない。  すっかり平常モードに戻ったその日。  仕事から帰り、ちゃっちゃと家事をこなした私はお風呂をいただいていた。  カッポ~~ン。  フー…ゴクラク、ゴクラク。  オヤジ臭い独り言を呟きながら、白湯に浸かって1日の疲れを癒す。  やっと落ち着ける、一人っきりのこの時間は、私にとっては至福の時間。  のはずなんだけど。  近頃はいつもお正月の『あの』出来事を考えてしまっている。  あれ以来、私の中の何かがおかしい。  あの、冷酷無比な藤城課長がオンブで私を運んでくれて手ずからに看病し、終にはオカユまで作って食べさせてくれた。  あれは一体、どういう風の吹き回しだったのか。  もしかすると、これまでの私の献身に、課長の中に何かが芽生えたのではないだろうか。  彼の私への扱いは、以前より明らかに手厚く、  “シモベ” → “使い魔”  くらいにはレベルアップしている(と思う)。
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